代表の水澤です。
鎌倉あそび基地・フリースクールLargoは、ドコモ市民活動団体助成を受けて、
2024年9月より鎌倉市内小中学校で段階的にスタートしている「校内フリースペース」運営の伴走支援に入っています。
3年間の助成期間の折り返し地点にきましたので、ここまでを振り返ってみたいと思います。
どうやって教育委員会との協働事業を実現できたのかと、他団体から何度か聞かれたことがあります。
その要因としては、事業の必要性もあったと思いますが、
神奈川県教育委員会との協働事業で不登校情報ポータルサイト「キミイロ」を制作運営してきたことと、
当団体の人件費についてはドコモの助成金でカバーできるということが、事業開始当初大きかったのではないかと考えています。
私たち民間フリースクールは利用料をいただくことで運営が成り立っています。
そのため、ご家庭の経済状況によってサポートできない子どもがいることをずっと歯がゆく思ってきました。
公立の小中学校内に子どもたちに寄り添った居場所ができれば、より多くの子どもたちが支援につながることができますし、私たちが伴走支援することで、ご家庭や学校がより多くの情報に触れることも可能になります。
教室にいるのがつらい子どもたちが「ここなら学校に行ける!」と思える居場所づくりに、なんとかして関わることはできないか?
それが校内フリースペースの伴走支援を、助成金の力を借りて事業化したいと考えた理由でした。
市教委が「校内フリースペース」設置にあたり打ち出したコンセプトは、
「子どもたちが安心して過ごしながら心のエネルギーを充電できる『とまりぎ』のような空間」。
これをもとに学校がそれぞれの状況に合わせて運営をしています。
私たちは、本事業において現在7校の小中学校にそれぞれ月一回程度訪問して、
配置されている「まなびばサポーター(まなサポ)」と子どもたちへの対応についてお話ししたり、
管理職の先生方や担当の先生方による支援会議等に同席して、私たちの経験をもとに必要な助言をしています。

学校は外部から人が入ることにはとても慎重です。事業開始当初、伴走支援に入ることができたのは1校のみでした。
半年後、その学校の校長先生がフリースペースに集う子どもたちが元気になっていく様子を目の当たりにして、「キミイロ」の取材に応じていただけたこと、そして校長会で校内フリースペースについて発表してくださったことが、翌年度の6校の支援につながりました。
見えてきた課題は、本当にたくさんあります。
まず、学校ごとに取り組みの温度差、学校内でも先生方の間での温度差があることです。
また、校内フリースペースの位置づけを学校内でどのようにするか決めるのが難しいこと。
例えば、教室に戻る前の準備の部屋として「学習」をする場所にするのか、子どもたちの「安心」を最優先にある程度自由に過ごせるようにするのか。
希望者がたくさんいる学校においては、最適な人数は何人で、この場に入れる子どもをどう決めるのか。
さらには、まなサポと教員の間の情報共有をどこまでするか、等々・・。
こうした課題を受けて、訪問して助言することや研修を担当することだけでなく、
まなサポの精神的なサポートも兼ねて、学校外での研修や情報交換の場の設定も必要だと感じています。
また、長年鎌倉市と発達支援研修で連携している専門家に相談に乗っていただくなど、NPOならではの柔軟な思考とスピード感で学校運営をサポートしていくことを考えています。
すぐに成果が出るものではありませんが、こうした地域の大人たちの地道な連携の先に、子どもたちの笑顔があると信じています。
助成金申請の際に掲げた事業タイトルは「幸福度をあげる校内居場所づくり・地域と学校パートナーシップ事業」。
真面目な先生ほど悩みは深いですし、校内フリースペースが設置されたことを負担に感じてしまっている先生方もいらっしゃるかもしれません。
そうした先生方が、地域からのサポートによって孤立せずに安心して子どもたちに接することができるようになっていってほしい。
子どもも、保護者も、先生も、そしてまなサポのように地域から支援者として入った人たちも、
みんなが幸福度をあげていける居場所づくりを目指していきたいと考えています。





