『ふかふか』ができるまで (5)

「泥」を寝かせている間に、竹を切り出す日がやってきました。
秋の新月の頃の竹は水を吸い上げておらず、竹を切り出すには絶好の時。
切った竹は放っておくとすぐにカビが生えてしまうのですが、この時期に切り出したものはカビ知らずなのだそうです。
日ごろ竹林ボランティアをしている友人が、強力な助っ人として参加してくれました。
この日は竹林をお持ちの地主さんのご厚意で、40本ほどいただきました。

私たちは、竹を切る事ばかり考えていたのですが、切り倒した後の枝を落とす作業、そしてなにより運び出す作業が大変なのでした。
なんといってもか弱い母たちばかりの団体ですから(笑)、見かねた近隣にお住いの友人のご主人が手伝ってくださり、建築家の日高さんと男性お二人で大車輪の活躍!本当にありがたかったです。

軽トラいっぱいに積んだ竹をふかふかに持ち込んで、今度は縦割り作業。
専用の道具があるのですが、これがなかなかに面白い。

長さと断面を整えて、竹小舞をできる状態に持っていくのに、まる一日かかりました。
『ふかふか』は壁数枚分だけだけれど、家の全面を土壁でつくる家にはどれだけの竹と土が必要なのでしょう!
考えただけで気が遠くなるようでした。
ちょっと大変だったけれど、作業をしながらのおしゃべりと笑い声は、全く途絶えることを知りません。
数か月前のお先真っ暗の状況を思えば、私たちにとって夢のような楽しい一日でした。

さあ、次はどんな作業かな。