ルールを決める②

いよいよ、工作道具の使い方、片付け方についての話し合いが始まりました。
ホワイトボードとペンを用意して、みんなの意見を書き出す準備もできています。
神妙な顔で彼が司会を始めました。

司会「みんなは今のまま工作道具が使えなくてもいいですか?」

「えーやだー」「不便だよ」「前にみたいに使いたいー」

司会「じゃあ、どうしたらいいか意見言って。えっと、なんでこんなことになっちゃったんでしょうか?」

「ちゃんと使わないからー」「出しっぱなしで片づけない」「無駄遣いする人いるし」
次々出る意見に箇条書きができず、あたふたの4年司会者とサポートの5年男子。
見かねた4年女子「私が書いてあげる」とホワイトボードにみんなの意見を書き出す。

司会「じゃあどうすればいいと思いますか?」

「片付け係をきめる」「出した人がしまう」
5年男子「それができなかったから使えなくなったんだろ!」
・・・・・
「自分で道具を持ってくるのは?」
「えー!メンドクサイ~!」
・・・
「散らかっていると気づいた人が、片付ければいいんだよ!」
・・・・・・・・・・・・・・(しばし沈黙)

「みんな、どうなの?」
私はここで初めて声を掛けました。
「いいと思う!」うなずく子どもたち。
子どもたちもスタッフも納得。
この日から道具を元通りに使えることにしました。

その後、どうしたら片付けやすくなるかという話し合いとなり、実際道具を使いたい場所と置いてある場所が離れているから散らかるのではという意見が出て、みんなで棚を移動したり掃除したり。
子どもたちの生き生きとした表情がまぶしかった!

「気づいた人が片付ければ・・」と意見を言った子は、それまで話し合いの場での発言はあまりしたことのない、2年男子。
彼はその後もちゃんルールを守らない子がいると堂々と指摘して、周囲の子どもたちが気づかされるという場面が見られるようになりました。

正しいとわかっていても継続が難しいのは、私たちスタッフも織り込み済み。
大人だってそうですから。
でも、何度でも話し合って、そのたびに気づきがあって、仲間の前できちんと自分の意見を言えるようになっていく。
これこそが生きた学びだなあと子どもたちに教えられています。